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悪魔の失敗 時間旅行計画編

俺は金持ちになる能力が与えられたが、

同時に金持ちであり続ける能力を奪われた。

消えていった金は何処かであの悪魔の懐を肥しているに違いない。


このことに気づいてから俺は何処かに抜け穴はないかといつも考えていた。

そんなある日、ネットでその科学者の記事を見つけたのは偶然ではなかった。

彼によると時間旅行の理論というものは既に完成されていて、

実験装置のための莫大な資金さえあれば時間旅行は実現できるというのだ。



その時、ある計画を思いついた。

それは「悪魔に出会う前の俺に金を送る」というものだ。

これがうまくいけば、奴と出会う前に俺は金持ちになれる。

つまり犠牲を強いられる契約などしなくてよくなる。

よほど間抜けなことをしなければ金持ちであり続けることができるだろう。

悪魔の契約といえども時間は越えられまい。



この計画に懸けてみることにした俺は

自分だけがその装置を使えることを条件にして、

科学者達に資金を流し始めた。

必要な金が増えるのに合わせて、俺はより規模が大きく、

効率が良い商売を手がけることにようになっていった。




しかし、時間旅行装置はそう簡単に完成しなかった。

実験は失敗ばかりで金はどんどん減っていく。

しかし、よく考えてみたらどっちにしろ消える金だ。

どういう風に消えるかなんて気にする必要はない。

俺が生きているうちに装置が完成すればいいんだ。




XX年後




研究所から装置が完成したとの連絡が入った。

やっと計画が実行できる……

しかし俺は迷っていた。

相変わらず金持ちではなかったが、

今の自分を結構気に入っていたからだ。

この能力があれば、金持ちにはなれなくても

地位や名誉を得ることができたからだ。


そのとき再び悪魔が現れて言ったような気がした。

「お前がずっと金持ちであり続けるようにしてやろう。そのかわり……」

俺は時間旅行装置を使うのをやめた。

過去をいじってもその過去の未来がどうなるのかわからない。

それに、平行世界の俺が金持ちになってもその俺は俺じゃない。




俺は今、ある後進国を発展させるために働いている。

相変わらず金はないようであるような感じだが、

隣の後進国や先進国の企業を出し抜くのは楽しい。

あまりやりすぎると 『死なない能力』 まで必要になりそうなので、

控えめにやっているつもりだ。

いや、状況によってはこの能力は死なない能力にもなるかもしれない。

それとも既に能力で守られているのだろうか?



とにかく、あの悪魔には感謝している。







テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

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No title

この気持ち良く分かるです。
一気に読めてしまってとても面白いです!!

Re: No title

いつもありがとうございます。
もう少し読みごたえがあって楽しいものが書けたらよいのですが、
なかなか難しいです。
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みみしま

Author:みみしま

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